心療内科では、だいたい同じ曜日で同じ時間帯に診察の予約が入った。
だから待合室で顔を合わせる人も、長く通っていくと同じなことが増える。
そんな待合室でのできごと。
来ている人をじろじろ見ているわけではないのだけど、その人が持っていたかばんが印象的でかばんで覚えたあるサラリーマンがいる。
サラリーマンはその次もいた。
そのときは私服になっていてたけど、かばんが目に入って、この間一緒だったな、と思った。
その程度だった。
また次の週にもそのサラリーマンはいた。
私服だったけれどかばんでまた気がついた。
・・・。
ものすごくやせてしまっていてびっくり!
ズボンもぶかぶかで、大丈夫かな、と心配になるほどだった。
うつ病のいんぐに心配なんかされたくないだろうけど、やせ方が尋常じゃなかった。
このサラリーマンも、うつ病なんだろうな、きっと。
私服になったのは休職の診断書がでて、職場に行かなくてよくなったからだよね、きっと。
休めてよかったね。
そんなことを一人で妄想をしていた。
そしていんぐもこんな感じだったのかな、と思った。
いんぐもやせちゃったしな。
たーぞうはやせたこと何にも気づいてくれなかったけれど、職場の人は気づいてたのかな、と思った。
毎回顔をあわせたサラリーマン。
1ヶ月がたったくらいかな、スーツ姿だった。
復帰したんだ、とわかった。
スーツはぶかぶか、顔色は悪いしずっとうつむいている。
そしてまたやせていた・・・。
復帰したけど、やっぱり大変なんだな、と感じた。
家族がいるから、生活のためには仕事を辞めたりずっと休むわけにはいかないんだろうな、と勝手な想像をした。
サラリーマンと自分を重ねた。
先のことが心配になった。
自分は自分だ、人とは別だ、と言い聞かした。
いつかきっとよくなるさっ、と思ういんぐでした。
Amazy |
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