いんぐの朝は目覚ましでは起きられない・・・。
「ほら、いくぞ!」
「朝だぞー、いんぐぅー。おきろー、いんぐぅ。」
さ、寒い。
布団がなくなる。
たーぞうの愛のムチで起こされる・・・。
薬の量が落ち着いてきて、ベッドから離れる時間が増えてきた。
その頃医師からは調子がいい時には、興味のあることをやってみるのもいいですね、と言われていた。カウンセラーからは、朝起きて少し体を動かして、夜寝るという規則正しい生活をとりましょうといわれていた。
いつも昼に起きて、と報告していたせいかな・・・。
たーぞうに、医師とカウンセラーと話したことはすべて伝えていたし、毎日うつ病いんぐのことをみているから、いんぐができそうなことややったらいいんじゃないか、ってことには敏感だった。
心療内科に行かなくても、たーぞうが感じたことは、いんぐに対してあれこれ言ったりやってくれた。
そのひとつが散歩。
たーぞうは、一緒に散歩しようって誘ってくれた。
朝の空気は澄んでいて気持ちがいいし、体を動かさないとどんどん体力落ちていくぞ、といってくれた。
一緒に歩こうっていってくれた。
強制でもなくて、一緒に歩こうっていう感じだから、いんぐにもできるかなと思えて、歩けるかわからないけれど、よろしくお願いします、とよろしくお願いした。
なかなか起きられないうつ病いんぐ。
何度も起こしてくれて、ようやく起き上がる。
それが9時から10時の間。
世の中の人は、働く出してる時間だよな。
働いていた頃はもっと早い時間から働いていたのに、うつ病いんぐになってからはさっぱり・・・。
ジャージに着替えて、気が向けば洗顔と歯みがきそして、帽子をかぶって、うつの薬を飲んで、おまたせ・・・といいながらたーぞうのところにいく。
最初は自信がないし、周りの目もこわくて、手をつないで歩いてもらった。
息もゼーハーゼーハーとあがってしまう。
たーぞうのおかげでこのお散歩を続けられた。
たーぞうは今日はどのコースにするか、いつもうつ病いんぐに聞いてくれた。
コースを決めるということも、はじめはできなくてうつむいていたけど、少しずつ考えて話すこともできるようになった。
太陽にあたったり、木々の変化に目がいったり、青空がまぶしかったり、汗もかいた。
歩くおかげでおなかがすくようになって朝食のパンが1枚食べられるようになった。
医師とカウンセラーに散歩を始めたと報告すると、いいですねぇと喜んでくれた。
雨の日やずっと起きられない日もあったけれど、そんな日はそっと寝かせておいてくれた。
おかげでそれまでの引きこもり生活が少しずつ変化していった。
たーぞう、ありがとう。
たーぞうに感謝する、いんぐでした。
Amazy |
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