安定してくると、主治医から
「起きている時間に何かやりたかったことや趣味をやってみては・・・」
とすすめられるようになった。
「うーん、これといって今はやりたいことがありません。
すぐに疲れちゃうし・・・。」
そんな返事ばかりをしていました。
ある日、
「仕事をしていた頃にやりたかったことって何があったの?」
と医師から質問された。
そういえば・・・。
忙しくしている時には、いっぱいやりたいことがあったなぁ。
旅行とか片付けとか・・・。
絵を描くとか、コンサートに行くとか・・・。
美術館にいくとか、読書をしたいとか・・・。
あんなにいろいろやりたいことがあったのに、うつ病いんぐになって時間がいっぱいあるのにやりたいことが思いつかない。
忙しい時は忙しくて大変だけど、やることがあるって充実しているっていうことだったのかもしれないな。
やりたいことがいろいろあるのに、っていう思考がいろいろ浮かぶ状態っていうのは健康な証拠なのかもしれません。
仕事以外のことにも興味がわくんだもん。
視野も広く持てている証拠。
そして仕事のストレスを他の何かで解消しようとしている、健康な反応なのかもしれません。
やりたいことのために仕事をがんばって片付ける。
心の状態はいい状態って今ならわかります。
休職したからって、時間をもてあますことはまずありません。
暇することがないっていうのか・・・。
とにかく脳も心も体も全部が疲れきっていて、何もできないから・・・。
だんだんよくなってくるから、何かやってみようとかやってみるまでにも時間がかかります。
この間のハウスダストによるアレルギー反応がでた一件で、少しよくなってきているんだって感じられました。
変な感覚ですが、もっとうつうつうつつなつらいときだったら急激にかゆくなった自分の体をとても悲観的に感じたと思うんです。
不幸なことばかりおこる。
どうして???
どうして私ばかり・・・って悲しんでいたと思います。
今回はそういう気持ちの前に、ちゃんと痒いって感じられたし、なんとかならないかっていう次の思考ができた。
すごい進歩に感じました。
痒いってあたりまえに感じられる感覚がありました。
インターネットでこの痒みが何か調べることもしたし、画面の前で集中する時間もありました。
そのあと疲れてしまうこともありましたが、ちゃんと「調べよう」という意思と「調べた」という実感が残りました。
うつ病いんぐになってできなかったことが、治療を続けて行くことでできるようになったことに気づきましたよ。
単なるアレルギー反応という事件をきっかけに・・・。
リハビリってどんなことなのかも掃除という動作を通じて、自分なりの位置づけと理解ができたのも良かったです。
主治医が
「何かやってみましたか?」
とたずねるわけがわかったような気がしました。
集中力の回復と何かに対する意欲が現れたかどうかみていたんだなって。
これって回復の兆しのひとつなんですね。
うつ病いんぐはハウスダストのアレルギー反応をきっかけに、集中力もちょっとは続くことに気がつけました。
なので、テレビ番組をよむようにしてみました。
これといってテレビをみたいわけではないのですが、文字が読めるっていうことができるからです。
意味のない文字の並びが、名詞に変わったりする感覚は久しぶりでした。
文字のつながりが意味をなしているという実感は久しぶりでした。
たくさんの文章をよむことは難しかったです。
たぶんそれは、考えたり想像したりして読むというのがかなり脳のエネルギーを使うようでできませんでした。
テレビ番組、ばんざい!
名詞の誕生、バンザイ!
新しいうつ病のステージへ一歩あがった感じがした、いんぐでした。
Amazy |
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